ショートエッセイ#7「新型コロナウイルス(COVID-19)との戦い」

ウイルスとの戦いは、人間の遺伝子の中に年輪のごとくに刻まれています。さらに原生動物の時代まで進化を遡ると、自己と異物を判別するタンパク質の構造単位(モチーフ)がつぎつぎと創造され、それらが生物的財産として引き継がれて活用されているところに現在の人間がいます。
そんな人間、チョットしたウイルスの侵入なんかでは負けない、精巧な防御系をもっています。でも1世紀に一度くらいは、天然痘、HIV、エボラなどの強敵が、それほどでなくてもスペイン風邪、SARSなどなど、命の恐怖を感ずるに十分なほどに強力なウイルス伝染病が人類を襲ってきました。今度の新型コロナウイルス、若い人にはそれほど怖くないということですが、高齢者や既往症のある人にとってはただごとでありません。
ともかくもうしばらく伝染を受けないように命をまもれば、なんとかワクチンにたどり着けるだろう。それがほぼ唯一の確実な希望だといっていいのではないでしょうか。ワクチン製造を目指してCOVID-19と戦っている勇者の最前線にいるのは医師や研究者ばかりではありません。マイクロソフト創業者のビルゲイツもその一人です。数日前にNEJM誌に公表した手紙では、彼がリスクを負って資産を投入して開発に参画しているワクチンが6月には大型臨床試験に入れそうだということです。皆様もそれぞれのお立場で戦いに参画しておられることと思います。身近にも、お店にお手製の見事なマスクをプレゼントしてくださる方がおられました。感謝感激、とても勇気づけられました。
このウイルスの感染と発病は、健康とどのように関係しているのだろうか。感染後の勝敗の分かれ目となるらしいサイトカインストームには、栄養、年齢などがどのように、またどんな仕組みで関係しているのだろうか? ウイルスが体の健康を冒している程度を感知することはできるのだろうか?このような疑問に対して健康科学の視点から急ぎ調査し、考察を加えて原稿を準備しています。いままでセミナーにご参加下さった方、またホームページから希望する方に無料で送ります。ご参考となれば幸いです。(現在hascrossウエブサイトに無料掲載)

松村外志張 hascross 便り 20号 (20200309) に掲載