ショートエッセイ#26「激震で始まった新年にあって」
激震で始まった新年にあって
私どもの新年は激震に迎えられました。元日の午後、里帰りから戻ろうとして乗車した新幹線が新潟駅から発
車しようとしているその数分前に揺れが始まりました。
その瞬間に新潟市内のすべての鉄道は運転を停止しました。やむなく実家に戻った翌日、近所を散歩しました。西区の一部でしたが、その辺りでは家屋の倒壊といった破壊的な状況はみられず、被害は少ないのかな、と思いながら歩いていて、大変なことが起きていることに気がつきました。それは道路の破壊です。これもそれほど目立つというほどではありません。しかし道路のあちこちに亀裂が入り、いたるところで亀裂から液状化した土砂があふれ出していました。別のところでは亀裂の下が空洞になってアスファルトの路盤が宙づりになっていました。これでは安心して車の運転もできません。案の定、コンビニに入ってみると弁当、おにぎりといったできたて食品の売り場はガランドウです。お客さんがしぶしぶ冷凍食品を探していました。聞いてみると「入荷しません。空のままで営業を続ける店もあるし、閉店している店もあります」というのです。しかし、別の食品店に入ってみるとシッカリ弁当を売っていました。きっとお店に製造設備を持っているのでしょう。
震源地能登はどんなにかと思いをはせ、またこれがお店のある横浜の南区永田だったらどうなるだろうと思いながら二日の午後、漸く動き出した満員の新幹線で横浜に戻りました。
私の感想はこうです。大地震でも、多くの被害は局所的のようです。最近は住宅も丈夫にできています。しかしちょっとした道路の破損などでもう地域は孤立し、生活は難しくなるでしょう。流通サービスへの依存度の高い最近の都会生活では誰もが大きく影響を受けるでしょう。そんなとき、なにより役にたつのはご近所づきあいなのではないでしょうか。私は日本国内でさまざまなところに住みましたが、永田にはご近所づきあいがある。
町会が元気。消防隊も元気。お祭りも元気。坂道が多いこの町はお年寄りも足腰丈夫。きっと災害に強い町だ、と感じます。
そんななかで私どもハスクロスはなにができるか。個人個人の栄養バランスに気を配って、しかも美味しい。
そんなメニューやお菓子の創作をつづけていますが、加えて今年は災害に強いメニューもご紹介できるかもしれません。科学的に検討します。どうかご期待ください。
2024/01/04 松村記