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ショートエッセイ#33「夏の過ごし方」

「皆さん来年の夏どうします?」

さすがの酷暑も去って台風一過、心地よい冷風が流れます。例年であれば夏のことはもう忘れて、早速にも予定を盛り込んで過ごす時期でしょうか。

しかしこんな夏ももう3年目です。来年も酷暑の夏に臨まなければならないのか。なにができることはないか。そんな気持ちで、毎週通っている千葉の畑に向かう自動車のなかで車外の気温をみながら進みました。9月の上旬です。

予報では横浜の気温は36度といったと記憶します。しかし出発した港南区の一角では、車内で表示される外気温が38度でした。直射まるだしの駐車場だったからかもしれません。高速湾岸にでるとさすがに気温は下がり始めました。ベイブリッジの中ほどで35度まで下がりました。そこからつばさ橋を渡る頃にはまた温度が上がり、アクアラインのトンネル内では最高で40度を超える気温を記録しました。これはもちろん、自動車の出す熱によるものでしょう。

それからアクア連絡道を通って君津に向かう道で気温は徐々に下がることを期待していたのですが、それほど下がらず、あいかわらず36~37度あたりでした。気温が下がり始めたのかな、と感じたのは富津竹岡を過ぎたあたりからです。そのあと鋸南富山で高速を離れ、南房総のふらり道の駅に到着して温度計をみたら31度です!午後2時すぎです。それも直射のもとでの駐車場です。

不思議に思いながら中佐久間の畑に到着したところで気温は32度でした。木陰に車を止め、カンバスのパイプ椅子を出して一休みです。そよ風が通ります。トンビが空高く舞い、小鳥達がひときわさえずって、やってきた我々を見張っています。

予定のとおり農作業をし、草刈り機で草を刈ります。自宅からわずか数十キロメートルはなれたところで6~7度も気温が違うのです。これでは横浜も気温が下がっているのかと思って、南区のお店にもどって気温をみたらやはり38度ほどありました。夜の8時ころだったと思います。ここは市街地でお店に面した道路は自動車の車列がつまっているような状況ですから、やむを得ないことですが、いずれにせよ、ここには酷暑が居座っていました。

南房で気温が低いことはいろいろ言われているとは聞いていました。とくに勝浦が有名であるとか。深海を流れてきた低温の黒潮が房総半島にぶつかって表層に上がり、その冷たい海水が気温を下げているとか。多分その一部は東京湾の入り口あたりまで流れてきて、南房総市から鋸南町あたりまで冷気を運んでくれているのかもしれません。

気温の差は風向きによっても大いに違うことは考えられるでしょう。たまたま当日は海風だったからで、陸風だったらそんなに低温にはならなかったのかもしれません。ともかく京浜にこんなに近いところに6~7度も気温が違うところがあると知りました。この付近は最近イノシシ、サル、などが集まっています。人間よりも野生動物がすばやくこの快適な避暑地に集まってきているのでしょうかね。

松村外志張(副代表)


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