マイク・ノートン先生を囲む談話会

マイク・ノートン先生を囲むオンライン談話会

地球温暖化と生物多様性危機との戦い ポスターpdf

2023年2月22日にマイケル・ノートン先生を迎えて開催した下記オンライン談話会の文書記録です。
当日いただいた質問、ご意見には追加調査して、46ページの冊子にまとめました。
ダウンロードは無料です。ご意見、ご感想いただければ幸いです。
hascross地球温暖化セミナー日本語版 第1部 hascross地球温暖化セミナー日本語版 第2部
hascross Global Warming seminar Pt1  hascross Global Warming seminar Pt2

印刷物をご希望の方は日本語、英語とも各2,200円/1部で郵送いたします。
2部以上同時に購入される方は2,000円/1部です。

ご希望の方は「問い合わせ」ページより送付先のご住所を記載の上ご連絡ください。
お支払いは銀行振込またはクレジットカードをご利用いただけます。

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2月22日(水) 20時~21時30分 ポスターpdf

科学と政策の連携分野で活躍されるマイク・ノートン先生(Prof. Michael G. Norton,経歴は後記)が英国から来日されました。この機会に先生を囲む談話会を提案しましたところ、御快諾いただきましたので、ご案内さしあげます。
今回の談話会では、長年にわたる先生の日本滞在の印象、地球規模の問題の解決への挑戦、地球温暖化と生物多様性などに関する話題を取り上げ、先生のお話を聞きながら質問し、また意見を交換するといった形で2月22日(水)午後8時から1時間半ほどの開催を予定しています。

ノートン先生は日本語が堪能です。こちらは一般市民ということを理解いただいていますから、ナイーブな意見をぶつけていただくこと、大歓迎です。視聴だけでも結構です。

視聴ご希望の方にはURLとパスコードをお知らせしますので「お問合せ」ページからご連絡ください。

また、地球温暖化と生物多様性に関するノートン先生の講演がYouTubeに公開されています。

YouTube
https://www.kva.se/evenemang/policy-opportunities-for-reducing-climate-change-and-its-impact-on-planetary-and-human-health/

マイケル・ノートン教授の御経歴

ブリストル大学卒、化学の理学士・博士。1970-74年インペリアル・ケミカル社で化学研究に従事後、英国政府の科学サービス事業、特に海洋環境汚染の研究に8年間従事。1982年より4年間在米英国大使館科学アタッ シェ。1986年英国貿易産業省に入省、1989年英国議会に科学技術局を設立し助言サービスを提供。

1998-2004年在日英国大使館科学技術参事官。引続き東京工業大学教授として、イノベーションと持続可能開発分野を担当(2004-6年)。 2006年より信州大学教授、2012年東北大学教授、2015年ふたたび東京工業大学に戻り2018年まで同大学環境社会学理工学院非常勤特任教授。この間2015年より、欧州アカデミー科学諮問委員会(EASAC)の環境プログラムディレクターとして、プラスチックから気候変動に至るまで、科学と欧州政策の接点におけるEASACの活動を指揮して現在に至る。趣味は探鳥、来日するごとに私どもの千葉の菜園でともに農作業を楽しむ自然派です。

 

ショートエッセイ#22「少子化問題」

少子化問題、その解決策はどこに?

新年にあたり岸田首相は「異次元の少子化対策」と名打って金をつぎ込むぞ、だから少子化を食い止める策を出せ、と大臣に指示した。ご承知のとおり、これまでも少子化を食い止めるために、生殖医療の拡充、出産から子育てを助ける経済支援と環境整備など様々な努力がなされてきた。しかし減少の一途だ。

妊娠・出産の適齢期は20歳台(広くみてもまあ30歳代前半ぐらいまで)、ということは疫学的研究からの一般常識だ。受胎率、自然出産率、胎児の周産期死亡率、妊産婦死亡率、胎児・新生児の染色体異常のリスクと母体の年齢との関係研究からの結論だ。勿論、40歳すぎても健康な赤ちゃんをさずかる幸運な例は少なくない。医療技術が進んできている今、35歳すぎたらやめたほうがいい、ということはではない。しかし日本女性の平均初産年齢は2011年以来30歳以上が続いていることは厳然たる事実だ。つまり適齢期での妊娠・出産を阻んでいるなにかがあることは明らかだ。 とすれば、子供が生まれたら金を付ける、子育て環境を整備する、ということで問題が解決するのか。子供を育てようと思う頃にはとうに適齢期を過ぎてしまっているところで金をつぎ込むだけでいいのか? 適齢期に受胎・出産を許さない敵はいったい何者なのか。その本性を見抜けなくてこの戦いに勝てるのか?

そんな疑問を思うなかで、解決が迫られている。首相は大臣に考えろといっているのであり、私自身、大臣からよい解決策が生まれることを期待している。しかし大臣は市民が選挙で選んだ議員なのだから、解決策が失敗してもその責任を大臣のせいにすることはできないだろう。それが民主主義だとすれば、市民の1人としても考える責任があるのではないか、その気持ちで以下に愚考を吐露する。ご参考となれば幸いである。

いまどき、20代の若者は男女ともに多忙を極めている。次世代をはぐくむ適齢期だなどと考える前に、なんとか自分の求める自分になるために、すべての時間と能力をつぎ込め。自分も回りも考え方は一致している。そこで、高学歴の専門職を目指す。スポーツや芸能に全力投球する。また会社の社員となれば、将来の幹部となるために社員教育に集中する。成功には国をあげての喝采が送られるのだ。

ところで、子育てというのは自分以外の存在を認め、育成するということだ。ある程度自分の犠牲はやむを得ない。そういった気持ちでないとできないことだ。それが次世代をになう大切な生命であるとしても、いまを生きようとしている自分と競合する生命でもあるのだ。

それでは、意志もまた能力も発揮できない弱小な次世代の立場に立つ味方は誰だ。いままでの考えではそれは親だということになる。しかしいまや親はそんな次世代の命と競合する存在になってしまっているのではなかろうか。あるいは競合が起きないように、余裕ができるまでは出産を抑えようと考えている者が多いということなのではないのか。

それでどうする? 私が思ったのは、子供、あるいはさらに出産にいたる以前の胎児の段階からも、その生命の成長しようとする意志を助ける力を与えて、その力で敵と渡り合え、成長できる環境を作る、ということだ。

どんな力を与えるのだ。いくつか考えられるが第1選択は選挙権だ。妊娠したどこかの段階で、胎児に選挙権があると決めるのだ。誰が決める? 国会で議員が法律を作って決めるのだ。どうやって胎児が投票するのだ?その法律が決めた責任ある代理人が投票するのだ。多くの場合は親であってよいかもしれない。でも親がいなくとも、あるいは親が適任でない場合にも適当な代理人が選べるように法律で決めておけばよいのだ。

命が生まれ、成長する権利を求める票田ができれば議員は動く。本当に子供のためのさまざまな仕組みが作られていく。法律をつくるためにさしたるお金は無用だ。これできっと子供は育つ。子供は増える。そんな考えはどうだろう。

2023/01/13 松村外志張

ショートエッセイ#21「からだのいのち」

「からだのいのち」をめぐる話題と問題解決の道

からだのいのち? そうです。昔ならば人間は心臓が止まれば心も体もしばらくのうちに命を失うと考えたでしょう。しかし科学はそんな人間のからだの一部、「人体組織」といっておきましょう、がさまざまな形で生きつづけることを見つけ、いまその人体組織が私どもの健康を保ち、病気と戦かうための力をプレゼントしてくれています。 臓器移植や細胞移植のことは御存知かと思いますが、ワクチンなどバイオ医薬品の製造、環境や医薬品、食品に含まれるかもしれない有害微生物や化学物質の検出、培養容器のなかで組織を再生させて治療に用いる再生医療などに大活躍しているのです。

大切なことは、このように人体組織が活躍するためには、まずそれらが提供されなければならず、提供者としての市民の参画が必要不可欠だということなのです。

しかしわが国では、移植医療への臓器提供は勿論、研究や医療・保健衛生資材のための提供も、先進欧米諸外国と比較して極端に少なく、多くを海外からの提供に依存している、という状況があります。

hascrossに参画している松村が、ながく人体組織を取扱う生命科学研究に係わってきた経緯から、人体組織取扱いの成果と問題点の評価、ならびに問題解決策を討論する検討会を開きました。検討会は今年5月と10月の2回、それぞれ7~8名の識者をお招きして行い、市民の皆様にはオンラインで視聴いただきました。

参加下さった識者は、ここでお名前は出しませんが、医療、法学、社会学、バイオテクノロジー分野で実務、研究と教育に携わっておられ、またその未来について深く考えておられる方々です。

近々にも出版物として皆様におとどけできるように、ただいま音声の文字起こしの作業中です。作業中にも、識者先生方がこの会のためにいかに熱意をもって話題提供をされ、またお考えを述べて下さったかを強く感じ、深く敬意を表する次第です。これも、問題解決のためには、市民各位の参加と理解、そして判断が大きな役割を担っていることについて、識者各位が深く理解しておられることの現れだと思いました。

hascrossからも問題解決の為に市民の意向を反映させる方策を提案し、討論をいただきました。

録画視聴をご希望の方はhascrossのホームページを介してメイルアドレスとお名前をお知らせいただければ対応いたします。

2022/11/13 松村外志張