健康科学セミナー
健康科学に関する少人数でのセミナーを開催しています。
参加要領
ご来店でのセミナー
場 所:hascross井土ヶ谷店
参加費:一般参加 2,500円 学生 1,500円
飲み物、スナック付き。参加費は当日いただきます。
対 象:学生さんから高齢者まで、広い年齢の方々、ご専門の方、教育関係の方の参加も歓迎します。
これまで開催したセミナーはご希望ありしだい、情報を更新しつつ実施しておりますので、2名様以上でお申込みください。質疑応答ふくめて約2時間です。お申込み時に日程を調整いたします。昼食を含めたランチョンセミナーも対応いたします。
オンラインセミナー
第12節、13節、14節は当サイトからセミナーテキストを無料で公開しています。ご質問も「お問合せ」サイトからご連絡いただければ回答いたします。
セミナータイトル
第14節 地球環境変化と生物多様性の危機 (文書記録公開 Free)
第13節 健康を影で支える人体組織の世界 (紙上セミナーテキスト公開 Free)
第12節 新型コロナウイルスと戦うからだの健康科学 (Free)
第11節 痛みの健康科学
第10節 子育ての健康科学
第9節 ストレスの健康科学
第8節 現代健康科学の心得 -未来を切り開く鍵はどこに-
第7節 受験生を支える健康科学
第6節 人生100年時代に向けての健康科学
第5節 睡眠の健康科学
第4節 認知症の健康科学
第3節 食用油脂の健康科学
第2節 糖尿病食、予防食とライフスタイル
第1節 健康科学は宝の山 -でも落とし穴もあります-
セミナー要旨
第1節 健康科学は宝の山 -でも落とし穴もあります-
過去200年ほどの間に栄養素の基本概念がもたらされ、遺伝子DNA、細胞など生体の構造や機能要素、そして感染や免疫の仕組みなどが判明し、現在も健康科学は進歩し続けています。日本は研究のみならず伝統の日本食によって世界の健康に貢献しています。
一方、わが国には麦ご飯で予防できるという事実を掴みながら、また一部で予防に成功しながらも、大量の人命を脚気で失った、痛恨の歴史があります。真理を求める理と仁術としての医の考え方の区別ができなかった当時の姿を戒めとしつつ、健康科学の歴史をたどります。
第2節 糖尿病食、予防食とライフスタイル
ここ数十年の間に急増した糖尿病(特に2型糖尿病)には、高齢化のみならず、生活習慣の変化が関わっていることに異論はないでしょう。しかし、その抑制と予防の道となるとさまざまな学説、健康食品、また健康法等が競い合っている状況です。治療法、予防法ともに一つの回答を求めていってよいのか、 と疑せる知見もあります。調査経過と考察を提供します。
第3節 食用油脂の健康科学
戦後の食生活の変化のなかでも目立つのが食用油脂の種類の増加と消費量の拡大です。この間、食用油脂の種類によって、その働き方に特長があり、原材料や製造法に由来する混入物も生理作用に関わることが分かってきました。種類の選択も使い方も使用者に任されている現在、健康科学の視点で食用油脂についてなにが論点となっているのかを整理・解説し、また考察を加えます。
第4節 認知症の健康科学
癌、糖尿病に続いて激増しつつあるのが認知症(とくにアルツハイマー型認知症、以下AD)です。過去10年間、ADの治療薬を目指して莫大な研究開発費がつぎ込まれましたが目立った成果がでていない現状で、ADに予防の手立てはないのか、治療の見通しはないのか、さまざまな学説が競い合い、またさまざまな健康法や食事、生活習慣が提案されています。現況で、認知症はどこまで分かっているのか、その予防のために栄養や生活習慣にどんな役割が示唆されているのか、学術論文を精査し、かみ砕いて情報・考察を提供します。
第5節 睡眠の健康科学
わが国は平均睡眠時間の短さ、睡眠導入薬の使用量で世界のトップを競う睡眠不調大国です。社会に及ぼしている影響も計り知れません。
睡眠は成長にともなって変化し、環境や栄養の影響を受けます。人類の歴史をたどると睡眠の取り方は多様で、かならずしも朝型が最善というものでもありません。睡眠薬(睡眠導入薬)の働きが解明されるにつれて、慎重な取り扱いが求められています。測定法の進歩、栄養因子による入眠の調節を含めて、睡眠の科学の進歩をたどり、考察します。
第6節 人生100年時代に向けての健康科学
超高齢化社会を迎えつつある今、医療経費の増大と社会の活力低下を予想した悲観論がある一方、知識・技術を身につけた健康な高齢者こそ未来を下支えるとの楽観論もあります。
両論を分ける鍵は健康寿命をいかに長く保てるかに掛かっています。認知症やパーキンソン病は決して高齢者になってから突然発生するものではなく、若い頃から蓄積されるものであるらしい姿が浮かび上がりつつあります。研究結果にいち早く目をつけ、先取りして活用する姿勢が未来を救うのではないでしょうか。その姿勢で研究の最前線をたどります。
第7節 受験生を支える健康科学
お子さんが受験を乗切り、自分の人生に向かって進んでいくもっとも大きな力は、自分の将来に目的を持っていることだとはよく言われます。とはいえ親御さんの支援の価値は絶大です。
健康科学分野では人間の成長過程で生きる目的がどのように育てられるか、という課題から、食事、睡眠、体力等の学力への影響にいたるまで幅広く研究が進んでいます。お子さんがその持てる力を発揮できる環境を整える。親御さんにそんな役割を果たしていただきたい気持ちで研究成果を参考に供します。
第8節 現代健康科学の心得 -未来を切り開く鍵はどこに-
第1節で紹介したように、過去200年ほどの間に健康科学の基礎が築かれ、先進諸国においてはいま多くの疾病が克服され、長寿社会を迎えています。 長寿を満喫できる社会となった一方、高齢で発症する認知症やパーキンソン病などの治療・予防の見通しが立てられず、ひたすら介護・医療の充実のために莫大な社会資源の投入を覚悟しながら、若者に未来に対する夢と希望を与えることが容易でない、というのが現状の姿なのではないでしょうか。 父母から授かった遺伝子の一組を有する受精卵は、細胞分裂を繰り返しながらそれぞれの個性と特長を有する臓器・組織の細胞分化し、定められた機能を果たし、最終的に老化細胞に至ります。この間にどの細胞が肝細胞となるか、皮膚細胞となるか、といった運命を決定する仕組みが詳しく分かってきています。そして、個体が老化することにもこの仕組みが関わっていること、さらに高齢で発症する疾患の発症にもこの仕組みが関わってきていることが示唆されています。
将来への夢をつなぐ発想を心に秘めていること、それが「心得」ということなのではないか、そんな考え方から、これら年齢とともに増加する疾患に共通する発症の仕組みの研究の現状を追跡し、予防への道を探ります。
第9節 ストレスの健康科学
わが国はストレス王国といわれるほど、ストレスを引き起こす原因が身辺にあふれています。通勤、冷房、寝不足といった身体的なものから、仕事や学習、友人関係や家庭内関係といった心理的ものまでです。
これを取り除かねば--、とさまざまに議論されながらも、とりあえずは症状を緩和する医薬品に頼っているのが大方にとっての現実ではないでしょうか。
一方で、体がなまって、心労に打ち勝てない者ばかりになってしまったのが今の日本なのだ、という反論から、厳しい身体訓練に打ち込む向きもあるでしょう。
ストレスを引き起こす要因(ストレッサー)に対して体がどのように反応するか、つまりいかにしてストレッサーから身を守ろうとするのか、という受け身の仕組みについては長い研究の歴史があります。一方で、ストレッサーに 対して積極的に対抗し、打勝っていく仕組みについての研究が進んできたのはようやくここ数年のことです。
ストレス研究の道筋を追いながら、ストレスに打ち勝つ体の仕組みと食品成分についての最近の研究に焦点を合わせ、希望の足がかりを提供する。それがこのセミナーの主旨です。
第10節 子育ての健康科学 -100年を生きる次世代のために-
戦後80年間、子育て環境の激変をお感じの方も多いのではないでしょうか。2、3世代同居の大家族のなかで育てた時代から、核家族、さらにシングルマザー(ファーザー)での養育も普通になってきた今。空き地で駆け回っていた昔の子供時代に代えて、保育所に行き、さらに放課後は塾や習い事に行く時代となった今。スポーツに芸能に、また科学に、世界トップレベルで活躍する若者が沢山輩出しているのも今です。一方で、イジメ、家庭内暴力といった環境で、不登校、ウツといった孤独な世界に落ち込んでいく子供が続発し、出生率が低下し、人口の減少に歯止めが掛けられないのも今です。
一方でこの80年間には、進化の過程で人間が生き残り、繁栄するに至ったその巧みな仕組みが、科学的に明らかになってきています。そのなかには、食事、栄養などの影響も含めて、胎児であった頃以来の環境がいかに体の成長にかかわり、後年になるまで作用するのか、また次世代をはぐくむ上で不可欠な資質-未来に夢を抱く資質や人間同士が互いに親しみ合う資質-がいかに育ち、あるいは阻止されるのか、といった疑問に対する知識が得られつつあります。
このセミナーでは、次世代が幸福な未来を描きつつ生き、またさらに次々世代を育てる人間として育つために参考となると思われる健康科学上の話題を提供します。痛みは生命の危険を知らせる信号です。その感覚を失わせると人間は簡単に身を危険に晒すことになり、命を落とすことにもなります。
体の仕組みに食品や生活環境がどのように影響しているのか、といった基本的なところを理解しているかどうか、がその後の健康体の回復に大きな役割を果たすだろうことに疑いはないでしょう。
第11節 痛みの健康科学
痛みは生命の危険を知らせる信号です。その感覚を失わせると人間は簡単に身を危険に晒すことになり、命を落とすことにもなります。
痛み止め薬(疼痛治療薬)で痛みをとめても病気は進行しているでしょう。そこで、痛み止めを飲む前に、痛みが発信しているシグナルに耳を傾け、どのような仕組みで痛みが出ているのか。それがどんな信号を脳に送っているのか、体はどう反応しているのか。痛みをコントロールする体の仕組みに食品や生活環境がどのように影響しているのか、といった基本的なところを理解しているかどうか、がその後の健康体の回復に大きな役割を果たすだろうことに疑いはないでしょう。
このセミナーでは、痛みが伴うさまざまな症状、疾患を通じて、痛みがどのように発生し、また体はどのようにその痛みに対応しているのか、また薬だけでなく、食品成分や生活環境がどのように痛みに関わっているのかについて調査・分析したところを話題提供します。この分野においてもいくつかの先端的な研究が日本から発信されており、世界をリードしている様を紹介できることはまことにうれしいことです。