エッセイ ミルクティーの時間「ウィズ コロナ? ウィズアウト コロナ?」

ウィズ コロナ? ウィズアウト コロナ?
- トランプ大統領の例から描くコロナ制圧作戦 -

1.高齢者でもコロナに勝てる? トランプ大統領のケースは希なのか?

新型コロナウイルス感染により各国が大きな被害を受けつつある中で、米国は本日(11月6日)までに980万人を越える感染者を出し、23万人を超える死者を出すという修羅場の中にあります。猛り狂う新型コロナウイルス(以下コロナと省略)による肺炎のパンデミックのまっただ中で、74歳でアメリカの、そして世界の政治の中心にあるトランプ大統領が感染したことが判明しました。入院して治療を受けました。たった4日で退院し、早々とこの感染症に対する勝利を宣言、間髪をいれずに選挙活動を再開しました。

高齢者はコロナに弱い。ともかく罹らないことが第一。そのためには家に閉じこもってひっそりしてるっきゃない。そう助言を受け、また自分でもそう思って閉じこもってきたのに、こんな高齢者もいるのか! コロナを怖れず、感染しても打ち勝つ、どうしたらそんなことができるの? そう思う人も少なからずおられることでしょう。

一方で世の中では、コロナは当面完全には排除できない、ウィズコロナ(with corona)の時代です、 と盛んにいわれています。 ウィズコロナである限り、感染に弱い高齢者は引き続き神経をすり減らして防衛につとめなければならず、医療陣は自らの感染に、また病院が重症患者でバンクしないかと、心配しつづけなければならないのでしょうか。

科学的な研究成果を徹底的に調査してから考察を述べたいところですが、ここでは取り急ぎエッセイの形で論点をたどってみたいと思います。皆様それぞれの考察の参考となれば幸いです。

まず、今年の一月以降、我が国に感染が入ってきた初期から現在にいたる感染の拡大と、その時とられた対策について私の記憶をたどってみます。

 

2.感染拡大に伴い、対策が患者隔離、ロックダウンから3密へと進んできた経緯

今年の1~3月頃、感染の初期には、発見された感染者の全員を病院に収容して市井から隔離する、という手段がとられましたね。

当時は37.5度以上の発熱が4日ある、ということが感染を疑う指標として大きく取り上げられていたことも記憶にあります。しかしそういった有病感染者は増加の一方をたどり、一部の国ではすでに患者を病院に収容しきれない医療破壊が発生し、パンデミックの様相を呈してきました。感染第1波の到来でした。

感染第1波にあたって、我が国も含めて多くの国々が地域的な機能停止戦略(ロックダウン)を採りました。ロックダウンは国レベルや都市レベルで様々な形で導入されました。ロックダウンは幾つかの国では大成功をおさめましたが、多くの国々や地域では相当に効果があったものの完全にウイルスを除去できないうちに、その経済的負担に耐えかねて中止した場合が多く、その後多くの国で第2波が始まったことはご承知の通りです。

この時期には37.5度以上の発熱では感染者を検出しきれないことが明白になり、感染初期の相当長い期間、無症状あるいは軽症状の感染者が感染拡大に関与していることが疑われはじめていました(実はこのことは科学の世界ではすでにはっきりと知られていたことで、hascrossからの報告書でも記載していますが、社会的な知識として根付いていなかったということでしょう)。

我が国における最初期の経験として、横浜港に停泊した感染船ダイヤモンドプリンセスでの感染経験が印象的です。一ヶ月半にわたる停泊期間にも感染を完全に抑えることはできませんでしたが、この間支援にあたった自衛隊員は誰1人感染者を出さなかったということで、医療・支援にあたる側の感染防御体制に一つの目安がついたことは大きな収穫だったのではないかと思います。

第2波に立ち向かう各国の姿勢はいろいろでした。ここで各国の姿勢のそれぞれの詳細には触れませんが、第2波が第1波を遙かに超え、再び医療破綻に直面している国、あるいは地域も少なくないのが現状といっていいでしょう。

第2波の兆しが出てきたとき、我が国は戦略を第1波のときと大きく変更しました。部分的には地域的な経済活動への介入もされていますが、全国的にロックダウンをしていては経済が破壊されるとの怖れから、より身近な人間同士の間でできることに焦点を合わせた戦略が強調されました。

それが密閉空間、密集場所、密接場面(いわゆる「3密」)を避けることをスローガンとした戦略だったといっていいのではないでしょうか。 さらに感染後重症化しやすく、死亡率が高い高齢者に対しては感染の機会を避けるために外出自粛が叫ばれてきています。また引き続いて、コロナウイルス感染で発病した患者は病院に収容し、市井においてはクシャミ、咳、呼気などからの飛沫感染、空気感染、そして感染者の体に直接・間接に触れることによる接触感染に対する注意が喚起されてきました。

 

3.いまウィズコロナといわれる時代はどんな時代?

3密戦略により、ロックダウンを避けつつも、なんとか大規模な第二次の感染拡大は防げているのがわが国での現状かと思います。またその間に感染した患者の治療については抗ウイルス剤の投入などで相当な成果が上げられるようになり、「ウイズコロナ」といった表現で、現状を受け入れる姿勢が生まれているように感じられます。

しかし感染者の発生が減少に転ずるには至らず、むしろ増加傾向にある模様であることから、いつか大規模な感染拡大が発生するかもしれない、という怖れを引きずったままのその日暮らしが続いているといっていいかと思われます。

原因はなんなのか。その1つとして、若者を中心とした感染者の多くになんら症状がでず、これら感染健常者がウイルスの発生源となっている状態をなかなか防げられないことが指摘できるでしょう。

感染後に症状が出る人の場合でも、感染から症状がでるまでの時間が長く、その間には病識がないわけですから、やはりウイルスをまき散らすことになるでしょう。

ウイルスの拡散にこのような特徴があるとすれば、重症患者を救うための医薬品や治療装置の充実では、勿論大切ではありますが、社会からウイルスを根絶することはできない、ということになるのでしょう。

このようなウイルス拡散にたいする対策として強調されている3密は、多くのレストランやスーパー、そして映画館、劇場などで懸命の努力がなされてはいますが、通勤電車やバスでは達成しようもなく、ひたすら高齢者や基礎疾患のある人に遠慮を求めるといった状況にあるといっていいでしょう。 さらに家庭という老若男女が身近にふれあう生活の場をイメージしたとき、その中の1人が病識のない感染者となった場合に感染の拡大を3密作戦で防ぐのは至難の業といえるでしょう。

結論として、わが国は現在にいたるまで、非感染者が感染しないように防御する態勢と発病した感染者の命を救う態勢には相当な成果を上げているが、無症状あるいは軽症の感染者がウイルスをまき散らすことを押し留める態勢にはほころびが多く、結果として感染の拡大を留めきれないという状況となっているのではないでしょうか。この状況は、実のところは最初のダイヤモンドプリンセスの状況とあまりかわっていない、ということなのではないでしょうか。

現在、この伝染病を根絶するために感染者を完全隔離しようとした最初の戦略はすでに放棄され、市井に拡散しているウイルスに感染にしないように防衛するウィズコロナ姿勢が強調されているように思われます。 個人的には、この防戦一方のウィズコロナ作戦ではじり貧は避けられない。感染微増を微減にまでもっていくことができれば根絶への希望がでてくる。もう一歩なはずなんだ、と希望をいだいていたところで起きたのがトランプ大統領の一件でした。引き続いて、さらに身近にあったケースを紹介しましょう。

 

4.トランプ大統領につづいて身近にこんな快挙がありました

それは82歳と80歳のご夫婦です。トランプ大統領よりも10歳近く年上です。ご主人は登山が大好きで、2000メートルを超えるような山にも、日帰りで上るほどの健脚。年齢とは思えないしっかりした体付きで、人柄も闊達。 客筋や業務提携先をまわって現役を支援するばかりでなく、その知識と経験を駆使してベテランならでは役割を果たしておられ、外国語の勉強も怠らない。これが80歳代なのか、というような活動的な人生を送っておられます。奥様は基礎疾患があるということですが、水泳をしておられてこのお歳でバタフライもされるという体力の持ち主と伺っています。

ところが9月初めに、ご主人がなんだかかったるいということで、近所の医院を訪問した。医師はまあ風邪だね-、と一蹴して風邪薬を出した。しかしどうもよくならない。おかしいんじゃないか、PCRしたほうがいいんじゃないか、と頼んだ。 あんたがそういうなら保健所に頼んでみようか、といって検査してもらったら、保健所から陽性の通知と血中の酸素濃度を測定する測定器が送られてきて、しばらく自宅で静かにしていてくださいというだけで、ホテル入院等の指示も薬もなし。

そこで奥様も調べてもらったらやはり陽性。奥様は基礎疾患があるということで10日間入院の指示を受けた。

その後ご主人の方は数日間、気分が悪い、夕方になると発熱する、血中酸素濃度が89%まで下がる、といったコロナ肺炎らしい症状はあった。しかし酸素吸入の世話になることもなく、また入院もせずに全快した。奥様は10日間の入院期間中自覚症状は全くなく、めでたく退院されたということです。

今思うと、しばらく前に繁華街で会食したときに、席がトイレ脇で人通りが多かった。そこで感染を受けてしまったのではないか、との話です。

 

5.コロナに強い高齢者はどのくらいいるのか?

各国から公表されている疫学調査結果を総合する形での統計処理と分析とが今年の8月に報告されています。それによると、20歳以下の小児から青少年では感染した後に病院を訪ねる程の臨床症状示す人はたかだか2~3割程度ですが、年齢が進むにつれて臨床症状を示す人の割合は増えて60歳代となると5割を超え、70歳代となると7割5分程度にまで達しているということです。しかし、それでも70歳台の感染者のうち2~3割の人は無症状あるいは病院に行かない程度の軽症状(subclinical)だということです。

ということで、高齢者は一様にコロナウイルス感染に弱い、ということではなく、年齢とともに弱い人の割合は増えてくるが、強い人がいなくなるわけではない。相当の割合の人は大部分の若者に劣らず感染に強い、一方で、若者の方はといえば、強い人の割合が多いとはいえ、なかには高齢者とおなじように感染の影響を受ける人がいるということのようです。(詳細な確認は、この統計解析の基礎となった多数の疫学調査を調べてからとさせていただき、ここでは風聞という形までとさせていただきます。)

ここで「強い、弱い」といっていますが、これは感染により「病院を訪ねるほどの症状がでるかでないか」、というところに線を引いたものです。感染後有病となった患者のうち、不幸にも死亡に至った者の比率を死亡率という指標で示した場合には、年齢によって急激な増加が見られることはご承知の通りです。コロナ感染患者の死亡率についてはすでにhascrossからの情報提供もしており、最近の新聞等でもしばしば報道されているので、ここでは省略します。

結果として、コロナに「強いか弱いか」という判断を「症状が出るか出ないか」という見方と「死に至るか至らないか」という見方というふたつの異なった見方で比較すると、相当に違う様相が見えてくる、ということかと思います。

ということで、トランプ大統領も、知り合いの高齢者のご夫妻も、決して例外ではなく、世界にはそういうコロナ感染に強い高齢者が相当いる、というのが私のいまのところの印象です。

ウィズコロナ戦略のほころびと高齢者にもコロナに強い人間が多数いることの認識から、コロナ対策を見直ししてみるとどうなるでしょうか。以下にその私的な試みを述べさせていただきます。

 

6.コロナも伝染病、対策の要は共通、という認識でいいか?

どんな伝染病に対しても、伝染病となればまず衛生とワクチンが要と誰もが考えるでしょう。そして最近は抗ウイルス医薬品が大いに貢献している場合もありますね。

小児麻痺や天然痘の場合のように、ワクチンで感染制圧にまでいけるというのが理想でしょうが、そうでなくとも相当有効なワクチンが開発されれば、危機は大いに回避されるでしょう。インフルエンザの場合のようにです。そんな場合には「ウィズコロナ」も戦略として意味があるでしょうね。

いま開発中のさまざまなワクチンへの期待は勿論話題の中心です。 しかし有効なワクチンが開発できなくて今に至っている感染症もいくつもあります。 ただいま流行中コロナ肺炎(正式名はCOVID-19)に類似点の多いSARSもその中に含まれます。

インフルエンザ併発肺炎に比べて5倍も死亡率の高い肺炎を引き起こすこのコロナウイルスに対して、有効なワクチンがまだ出来ていない現在、ワクチンへの期待にすべてを賭けるのはあまりにもリスクが大きいのではないでしょうか。

とすれば、ワクチンがなくてもウイルスを完全に社会から追い出すことができる作戦を今のところの選択肢から除外できないんじゃないか。相当な覚悟はいるだろうが、SARSやエボラで試みられて実績を得ているのだから考えてもいいんじゃないか、というところをここでの話の進め方とします。つまりウイズコロナでなくウィズアウトコロナへの道です。

原理的にはふたつの道があります。1つは集団免疫という道です。つまりなにもしなくても感染経験者か一定の割合に達して、その一部が回復して免疫力をつけ、他の一部が死亡して集団から失われる、という状況に達すれば感染の連鎖はあちこちでつながらなくなり、負のスパイラルに入ってどんどんと減少し、ついには絶滅するという道です。スペイン風邪を始め、前近代的なウイルス感染の多くがこの悲惨な道をたどって、しかしともかく終焉しました。

もう一つの道は、感染した人1人1人に免疫が確立して、ウイルスが完全に消滅するまで、他の人にウイルスを伝染させない、という防疫の道です(また自然界の他の動物から再び人間世界に入ってくることがなければ)、このウイルスは人間界にはなくなって終焉するという道です。エボラであるとかSARSについて、有効なワクチンもないのにともかく封じ込めに成功しているのは、まちがいなく集団免疫によるものではありませんから、防疫の成功によるものだといえるでしょう。この道は感染者からの二次感染を防ぐことが最大の焦点です。感染者の治癒は勿論大切ですが、さらに二次感染防御をその上位に位置づける作戦です。こういうと非情のように聞こえるかもしれませんが。戦いという局面では、常にそういった選択について国民の総意が求められてきたことを忘れてはならないでしょう。

 

7.今後の戦略についての私見: 骨子は大集団視点から小集団視点を経て個人視点へ

ロックダウンといった大きな人間集団での防疫は、効果はあるし、感染の特性がわからないときにはやむを得ないかもしれません。しかし社会活動・経済活動を破壊し、損失も甚だしいことはいまや明らかです。 そこで、3密といった小集団で達成できるような戦略が取られたことは容易に理解できます。しかし3密はいまの我が国では完全に実施することはできず。実際に感染は増加傾向にありますから、それだけでコロナ絶滅への希望が描けないこともいまや明らかといえましょう。

一方で、感染から発病、治癒あるいは重症化にいたる経過は多様で、大集団は勿論、小集団であってもそれを構成する個人個人の特性によって、コロナ制圧へ向けた立ち位置には違いがあることが分かってきています。 その多様性を生かすには、個人の特性にあわせた個人の戦いを強力に進めることが効果的、というのがこのエッセイでの考え方です。勿論、すでに個人戦略は投入されています。マスク着用、手洗いなどです。その線をさらにきめ細かく強力に進めようというわけです。

 

8.若年者、高齢者という区分けから感染段階による区分けへ

高齢者でも若者なみになんなくコロナ感染を切り抜ける者が結構いる、とすれば、高齢者に対して一様に外出自粛を求めるのはロックダウン(地域封鎖)と同様に、あるいはそれ以上に社会的な損失を生みかねないんじゃないでしょうか。 しかしいまのところ、自分は、あるいはあの人は、コロナに強い人なのか弱い人なのか簡単にはわかりません。基礎疾患がある人でも強い人もいるというなら、なおさらです。 一方で、健康そうな高齢者ならば、若者よりも隠れ感染者である可能性は少ないんじゃないか、といった先入観も捨てなければならないことでしょう。

それではどのような区分けが効果的か、と考えたとき、たどりついたのはこんな区分けです。

第1群 コロナに感染したことのない健常者

第2群 コロナに感染しているが症状がない、見かけ上の健常者

(あるいはわずかに症状があってもカゼ程度だと思って日常生活を続けている人)

第3群 コロナに感染し、症状がある患者

第4群 コロナに感染して症状があつたが回復し、すでにウイルスを駆逐し終えた健常者

 

第1群(未感染群)は:

コロナに感染しないように防御しなければならない人々です。現在までのところ国民の大多数なのではないかと考えられます。ただし、見かけ上健康であつても真にこの群に属するかどうかは検査を受けなければわからないので、検査を受けていない人は次の第2群に属するものとみなした方が対策上は効果的と考えられそうです。

 

第2群(感染無症状群)は:

コロナを人にうつす危険性がある群。この群の人が他人に感染させなければコロナ禍は2から3週間で終わる、ということを考えると、コロナ対策の鍵を握っているはこの群といえるでしょう。 健康で感染したことがない(と思っている)子供も大人も老人も、(PCRとか抗原検査とかいった)検査をしていない限り、すべてこの群に入っている可能性が否定できないでしょう。もし第2群に入っているとすれば、注意すべきことはなにより人に感染させないことです。対策について次項参照ください。

 

第3群(感染有病群)は:

医療の対象であり、別途の対策が講じられてきていることと思います。個人としてできることは少なく、病院側で対策していただくしか方法がないかと思いますので、考察は省略します。

第4群(感染後完治群)は: 確認されている数値からいえば国内にはたかだか10万人ほど、ということになるのでしょうが、未確認の人数はすくなくともその数倍はいると想像されますから、無視できない存在といっていいでしょう。 この群の人達は他人に感染させる心配はなく、また感染者から感染を受ける心配もない。感染者と接して介護や医療に当たるには最適な身体状態といえ、社会的に貴重な存在といえるでしょう。 発症した後に完治したのであれば、医療機関において証明できるでしょう。しかし症状がないままに感染し、またその後症状がないままウイルスを駆逐している場合には、検査で抗体+、抗原あるいはPCR-であることを証明しなければならなりません。なんの検査も受けていない人は第1群あるいは第2群に属する可能性もあることを知っておくべきでしょう。

 

9.作戦内容 1検2染3密の提案

最重点群である第2群(感染無症状群)に関する作戦から始めます

第2群(感染無症状群)にある個人の検出とウイルス放出防止策の遂行

① 検査

当初我が国では感染していることが判明していれば入院という対応でした。またホテルを用意するということもありました。しかしいまやそんなことをしている余裕はなくなりました。

感染を知っていても行動に気をつけて静かにしていなさい程度の示唆で放任されている人が大部分という状態ではないでしょうか。全く感染していることを知らない感染者が相当数あることが示唆されています。そこで検査が大きな役割を負うことになります。それもここで標的としている感染者を検出するのは、免疫の確立を検出する抗体検査ではなく、ウイルスの遺伝子を検出するPCR検査か、ウイルス抗原を検出する抗原検査の2種類ということになるでしょう。

個人個人からみれば、自分が第1群(非感染群)属するか第2群(感染無症状群)に属するかは検査してみなければわかりません。この検査は個人個人に対してでもいいですが、費用を節約しようとと思えば、5人とか10人とか小グループの検体をあわせて1検体として検査するところから始めてもいいのではないでしょうか。感染者がすくない場合、合わせた検体で非検出であれば、その検体を提供した5人なり10人のすべてが非感染者と判定されるからです。ここで陽性と判定された場合には、その5人あるいは10人のなかに陽性者かいるわけですから、あらためてその個人個人の検査をすればいいのです。

② 除染: 感染者からのウイルス付着物質の除染

マスクは感染者の呼気からウイルスを含む飛沫を除去して呼気をきれいにするために有効といわれています。感染者からのウイルス伝搬に介在するものとして、手指と接触するさまざまな器具があげられるでしょう。トイレや出入り口のドアノブ、エレベーターのボタン、電車のつり革、缶飲料販売機や切符の券売機などのボタン、取り出した缶コーヒーの飲み口、ATM、エスカレーターのベルト、レストランのテーブルや椅子、コンビニやスーパーの買物かごの取っ手---数え切れないほどです。、

最近、出入り口にアルコールなど除染剤をおいている店をしばしば見かけます。効果はあると思いますが、とてもこれだけで除染しつくすことはできそうもありません。置かれていないところが大部分だからです。そこでアルコールなどの除染液は、配置してあるものを使うだけではなく、個人が持参することを提案します。

危ないところにさわる、と思ったら手持ちの除染ボトルを使ってすぐに手先やドアノブを除染します。それも、感染を防ぐ意図のみでなく、感染者からのウイルス伝搬を防ごうとする意図、つまり自分が感染者であるかもしれない、という視点からの除染です。

第2群の人はすでに感染しているのですから、これらの行為は自分のためではありません。100%他人のためです。この他人のためのこの行為がなければコロナの根絶ができないこと、またその行為はすべての人々に賞賛されるものであることを心に刻んで、努力をされればよいのではないでしょうか。

 

第1群(感染無症状群)にある個人の感染防止策の遂行

非感染者にとって、最重点となる感染防止(防染)をさらに効果的にするにはどんな策があるか。以下に2点を提案します。

① 高機能マスクの使用

普通の市販マスク(不織布使用)には、一旦空中に飛散してしまった飛沫やさらにエアロゾルに含まれるウイルスをて除去する能力は期待できない、とよくいわれます。しかし多くのマスク着用者は、空気中に拡散しているウイルスの除去にも期待をかけているのではないでしょうか。

サージカルマスクや、さらに濾過能力に優れたN95マスクについてはウイルスの除染能が試験されて評価されており、職業的に必要な場面でよく使用されています。これらを一般人が使用していけないという規則はありません。公共交通を使用する場合など、3密が守れないことが明かな場合には、遠慮なく使用して、感染防止に努めることを提案します。

② 除染器具の携帯

追加して推奨したいのはやはり徹底した接触部の除染を徹底的に行うことです。 どこでも気がつくところで自分で除染します。ここでも個人用の携帯除染瓶の持参です(百円ショップにあります)。

③ 出入りするお店の選択

従来から高齢者には繁華街や飲酒を伴う飲食店などへの出入りを避けるようにとの指導がなされてきています。一方、高齢者であつてもコロナに強い人も相当いるし、社会活動も活発な人も多いのですから、あまり制限がましいことをいうことに意味がないように思います。

また室内にこもる、親しい友人にも会わない、といった日常には精神的肉体的マイナスが大きいでしょうから、やむを得ない場合でなければ、安全に注意して屋外に出、また人とも会うことに努力していいのではないでしょうか。

むしろこういった活動的な高齢者に対しては、交通手段を選び、用事先がコロナ対策をしっかりやっているところを選んで利用することを奨めたいところです。 飲食店であれば、あらかじめ調べて、安易な対応をしているところは避ける。 交通手段も可能であれば、信頼のおけるタクシーを使用するなど、安全を優先する。公共交通を使用したり繁華街に出入りするのであれば、N95マスクを着用する、また毎日体温を測定するなどで体調に注意して、すこしでも異常を感じたときには行動を控えて様子を見る、などです。

ここで1つ困難な場合として学校、職場等、個人で自由な対策を取ることができない場合ではないかと思います。除染用のアルコール瓶を持ちたいとしても、こういった場所では勝手にはできないことも十分に考えられます。逆にいえば、学校や職場での感染防止の責任は個人では負いかねる。やはりそういった組織・機関の責任で実施しなければならない、ということなのではないでしょうか。なかんずく、学校や職場に期待したいこととして、学生あるいは職員全員のPCR検査等による無症状感染者の検出なのではないでしょうか。

 

第4群(感染後完治者)の立場の証明

この群の人はコロナの苦難を乗り越えた勝者であり、本人のためにはマスクもアルコールも不要です。 また感染の危険がある職場では、貴重な働き手ともなり得ます。

しかし、ドアノブは感染者の誰かがさわっているかもしれないし、マスクをしていなければ周囲の人々からいやな顔をされることは間違いないでしょう。

そこでこの群に属しながら、マスクをしている人も多いのではないでしょうか。礼儀上はそれもいいかもしれませんが、1つの解決策として、感染後完治していることを示す素敵なバッジのようなものをつけるということも考えられるのではないでしょうか。

本人の一存でバッジをつけても信頼されない場合もありましょうから、かかりつけ医や検査結果を出した検査所などからバッジにサインしてもらえれば、とくにバッジに規格を作る、といったことをしなくとも周囲の市民の理解と支援が得られるのではないでしょうか。

 

10.こんな作戦でコロナは駆逐できるのか

以上のコロナ駆逐作戦は、すべて私の勝手な考えを書き連ねたものにすぎません。皆様の判断で採用するもしないも、自由です。またこれでコロナの感染を増加から減少に導くことができるかどうかも保証することは勿論できません。しかし現在、増加の流れが止まらず、ワクチンの使用もまだまだ時間が掛かりそう、あるいはまだ使用できるかどうか定かでない、という段階で、個人の裁量でできることはなにか、ということを念頭において考えたことを述べたに過ぎません。

しかし、すくなくとも現在の状況でも日本での感染の頻度は欧州や米国などに比較して遙かに低にレベルにあります。いま一歩の注意、それも個人でできる注意によって増加を減少に切り替えることができれば、駆除への希望がもてると考えます。

増えるのも減るのも、感染率は指数的に動く傾向がありますから、こういった対策によって感染頻度が低減しても、完全にゼロにすることはできない、ということはできるでしょう。しかし、ある程度以下となれば、その少数の感染者の周辺に徹底した駆除作戦がとれる、ということを忘れてはならないでしょう。

以上、科学論文を引用してその内容を正確に確認しつつ、書き進めるという、通常hascross健康科学セミナーでしている手順を一切省き、単なる印象記として原稿を草しました。詳しくは、あらためて健康科学セミナーでも取り上げれば、と思っておりますが、取り急ぎエッセイの形で皆様に情報提供いたしますので、ご参考としていただければありがたく。またご意見・コメントを頂戴できれば幸いです。

20201107
ヘルスアンドサイエンスクロスロード(hascross) 松村外志張

 

追伸:

本文第4項で紹介した知人の話は、本人の同意を得て掲載させていただきました。厚く御礼申し上げます。

また、このエッセイの原稿段階で見てもらった方々から、どんな人がコロナに強いのか、という質問を受けています。さまざまな研究が進行中ですので、いずれ詳しくわかってくることと思いますが、推定されているところ、あるいは推定しうるところをいくつか紹介してみます。

まず、基礎体力や基礎疾患のあるなしが関係することは統計的にいえば間違いないでしょう。コロナ肺炎での重症化を乗り越える場面は体力勝負の様相を呈していますから納得しやすいところでしょう。

次に遺伝的な背景を示唆する事実があります。血液型であるとか、民族によって多様性のある遺伝子のなかに、感染性が強い弱いと相関して分布に偏倚のある遺伝子があるとの指摘であるとかです。しかし、血液型が違っても、民族が違っても、コロナに感染しない民族や血液型があるわけではなく、多少の違いがある、という程度の結論となるのではないでしょうか。 さらに、過去の感染経験が疑われています。過去になにかの感染症に罹った人が今回のコロナの感染に強くなっている、あるいは弱くなつているという可能性です。そのなかにはワクチンの投与歴も含まれており、BCGワクチンの投与歴などが指摘されています。

また感染初期にインターフェロンが素早く誘導されるかどうかが予後に大きく影響する、との知見から、インターフェロンが誘導されるような生活環境が影響している可能性も指摘できるでしょう。

これら健康科学に立ち入ったことは別の機会に譲ることとしてこのエッセイでは省略したこと、ご了解ください。

 

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